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所在地 大阪府大阪市北区大淀中1 発注者 積水ハウス㈱・㈱東芝・ダイハツディーゼル㈱ 設計 (建築設計)原広司+アトリエ・ファイ建築研究所
(構造設計)木村俊彦構造設計事務所竣工 1993年3月25日 延床面積 タワーイースト・タワーウエスト 128,300m2
地下店舗 約4,600m2地上階
タワーイースト・タワーウエスト 地上40階
地下階
タワーイースト・タワーウエスト 地下2階


- 梅田スカイビルは、大阪市北区の複合商業施設・新梅田シティの中にある高さ173mの高層ビルで、大阪を代表するランドマークタワー。1993年に完成したこのビル、実はただの高層ビルではなく、なんと二棟の高層ビルがその最上部で連結されているという極めて珍しい構造を持っているんだ。世界的にも珍しいその近未来的な建築デザインは18年経った今でも注目度が高く、国内のみならず世界各国から毎日たくさんの観光客が訪れるインターナショナルなスポットとなっているんだ。

- 最大の特徴は、二棟の高層ビルを最上部で連結する空中庭園。ここには日本初の360度完全屋上開放型の展望台があり、地上173mのレベルで屋外に出て心地良い風に吹かれながら大阪の風景を体感することができるんだ。もともと、スカイビルのある新梅田シティの開発コンセプトは「都市と自然の共生」。ビルの周りには、大自然の野性味を残しながら、都市との調和が保てるように人間が手を加えた自然という意味で作られた「中自然の森」をはじめ、日本の原風景である里山を再現した「花野~新・里山~」もあり、「都市は自然で甦る」「環境と建物の位置関係は同等」という考え方をベースに、自然を壊してビルを建てるのではなく、自然と都市を共生させることを目指したものなんだ。自然の癒しを提供する近未来ビル、それが梅田スカイビルなんだ。

- 「空中庭園」という名前は、建築家の原広司氏が、スウィフトの「ガリバー旅行記」に出てくる空を飛ぶ空中の島「ラピュタ島」から着想を得たもの。一般には単に「木々や樹木等が植えられている庭」という解釈をされることが多いけど、本当のコンセプトは、人類の昔からの憧れである、空に少しでも近づきたい、空を飛びたいという思いをベースに、ラピュタ島をイメージして設計・命名されたものなんだ。実際に昼間の展望台では、屋上から内側の向かいのガラスを見ると空と一緒に自分の姿が映って、まるで空に浮かんでいるように見える。そんな空中庭園は、2つの高層ビルを渡す橋として、未来への架け橋となることを願って造られたものなんだ。

- 施工面での最難関が、地上173mで二棟の超高層ビルを連結する空中庭園の工事であることは当初から予想されていたんだ。そこで、超高層での空中作業を極力回避するために採用されたのが「ワイヤー・リフトアップ工法」。これは空中庭園の約20%となる1,040tをあらかじめ地上で組み立てておき、それをワイヤーで吊り上げて固定するというもの。1992年5月18日、午前7時にスタートしたリフトアップ作業は、ビルの4カ所に設置された24連の動滑車により毎分35cmのスピードで吊り上げられて、最終的に開始14時間後の午後9時に、世界最大規模のリフトアップ工程が無事終了したというわけなんだ。

- 二棟を連結するという構造は、デザインだけでない優れた面を持っているんだ。ひとつは耐風性で、風に対して二棟が一体となって抵抗できるため揺れが小さくてすむということ。おかげで強い台風の時にもきちんと居住性が確保できるんだ。また、連結構造に加えて鉄骨+ハーフミラーガラスというデザインは阪神大震災に十分に耐えたことからも、その強い耐震性は実証されているし、災害時の避難の際は、この二棟連結の特性を活かしてビル間を相互に行き来可能なので、導線確保の面でも安全性が高い構造だと言えるんだ。

- 空中庭園展望台からは「日本の夕陽百選」に選定されている美しい夕陽や、「施設型夜景遺産」に選ばれている100万ドルの美しい夜景が一望できることから、プロポーズに相応しい場所として大阪の施設で唯一の「恋人の聖地*」に認定されているんだ。景色だけでなく、展望台の内部には御利益が恋愛成就の「空中庭園大明神」を祀る社や、赤いベンチに二人で手をつないで座ると、LEDガラスの床が光って二人の”LOVE度”が表示されるルミ・デッキなど、大阪を代表するデートスポットが盛りだくさん。名実ともに恋人の聖地として、今や不動の人気を誇っている場所なんだ。
(*)NPO法人「恋人の聖地プロジェクト」により認定。