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所在地 東京都港区 発注者 首都高速道路公団 設計 長大・千代田コンサルタント・パシフィックコンサルタンツ 竣工 1991年1月 構造・規模 長さ 798m
最大支間長 570m


- もちろんレインボーブリッジそのものを東京の新しいシンボルとすることで、台場地区周辺の埋立地を再生させる、つまり「臨海副都心プロジェクト」の起爆剤にしたいという狙いがあった。しかし、より現実的な問題として、都心部の慢性的な交通渋滞、そして周辺地域の深刻な大気汚染を、都心部と台場地区を結ぶことで解消させる必要があったんだ。結果として1993年に完成したレインボーブリッジは、千葉、神奈川方面から都心部への交通を迂回させることで、都心部の渋滞緩和と環境改善に大きく貢献。そして台場地区も「お台場」として賑わい、今では東京でも屈指の人気スポットとなっていることは知っているよね。

- レインボーブリッジをよく見ると、車や人が通る橋桁が二層構造になっているのがわかるだろ? まず上層部を通っているのが首都高速道路の高速11号台場線。そして三角の骨組み(これを「トラス構造」という)に囲われた下層部をゆりかもめが走っているんだ。下層部にはゆりかもめと並走するカタチで一般国道の臨港道路が、そして意外と知られていないけど、遊歩道も併設されているんだ。ただし、レインボーブリッジの全長は798メートルもあるから、徒歩で渡る場合は20~30分はみておいた方がいいかもね。

- 見ての通りレインボーブリッジは、アーチ状に架かったケーブルで橋桁を支える吊り橋形式になっている。吊り橋にはケーブルを地盤に固定させるため、「アンカレイジ」と呼ばれる台座が不可欠なんだけど、このアンカレイジを設置するための工法をケーソン工法、詳しくは「ニューマチックケーソン工法」というんだ。ケーソンとは簡単にいうと巨大な鉄の箱のこと。例えば、空のコップを逆さの状態で水中に沈めても、コップの中は水が入ってこないだろ。これと同じ原理でケーソンが地中に埋め込まれ、その中にコンクリートを注ぐことでアンカレイジが設置されるんだ。

- 台場側にあるアンカレイジの場合、まずケーソンが水深約12メートルの海底まで沈められる。しかし東京の地盤は軟弱だから、そこからさらに30メートルほど掘り下げる必要があったんだ。その掘削作業をケーソン内部の暗くて狭い空間でおこなうんだから凄いよね。しかも内部は土砂や地下水が入り込まないよう空気圧を高めているから、潜水病にかかる恐れもある。もちろん作業の大半は機械を使っての遠隔操作とはいえ、細かなところは専門の職人が直接掘り起こしたというから、まさにハイテクと職人技が一体となった工法といえるだろうね。

- レインボーブリッジの外観を際立たせているのが、芝浦側、台場側の2箇所にそびえ立つ高さ120メートルの主塔だよね。この巨大な2塔の架設は、レインボーブリッジの工事のなかでも最大規模のものとなったんだ。従来の吊り橋の主塔は、細かく分けたブロックを積み木のように組み立てていくんだけど、レインボーブリッジの場合は、工事期間を短縮するために、主要ブロックは「主塔中段」と「主塔上段」のふたつにとどめ、中段のうえに上段を載せるという工法を取っているんだ。台場側の主塔でいうと、中段ブロックを立てた時点で、すでに水面からの高さは53メートルにもなる。そこからさらに重さ3,400トン、高さ68メートルの上段を載せるわけだから、いかに大規模な工事だったかがわかるよね。

- その通り。重力が水平面に向かって垂直に降下する方向のことを「鉛直」というんだけど、レインボーブリッジの場合、主塔の架設に求められた精度は、鉛直方向の長さに対して5,000分の1、つまり高さ120メートルの主塔は、鉛直軸に対してわずか23.5ミリ未満の倒れに抑えるよう立てられているんだ。これだけの高精度を大ブロックの架設工事で定めたのは、もちん今回が初めてで、世界最大級の4,100トン吊りフローティング・クレーンを使って、荷重の調整を何度もおこないながら、中段ブロックと上段ブロックを架設。結果として、中段ブロック設置時点での精度は2万分の1以上、上段ブロックを載せた後でも1万分の1程度だったというから、当初の予定をはるかに上回る高精度で、レインボーブリッジの主塔は立っているんだ。

- レインボーブリッジは計画当初から橋としての機能を果たすだけでなく、東京の新しいシンボルとなるようデザイン性も重視されて作られたんだ。他の橋と比べてみると、レインボーブリッジの外観が非常にシンプルでスッキリしていることに気づくだろ。これは一部を除いてボルトやリベット※を使用せずに溶接接合することで、表面のデコボコをなくしているからなんだ。また吊り橋のケーブルを支えるふたつの主塔やアンカレイジも、丸みをもたせることで橋全体に軽やかな印象を与えている。こうした細部にわたる惜しみないこだわりが、レインボーブリッジの美しいシルエットを生み出しているんだ。