明石海峡大橋

基本データ
所在地 兵庫県神戸市垂水区~淡路市岩屋
発注者 本州四国連絡橋公団
設計 長大・千代田・綜合技術・日本建設・八千代・オリエンタルコンサルタンツ・日本工営地
竣工 1998年4月
構造・規模 長さ 3911m
最大支間長 1991m

明石海峡大橋

建設エピソード

01.どうしてできたの?

明石海峡大橋とはどのような橋なんですか?
1998年に開通した世界最長の吊り橋・明石海峡大橋は、その名の通り、明石海峡を横断してわたり、兵庫県の淡路島と神戸市を結んでいる。その長さは実に3,911メートルで、地上に置いてみると、東京から秋葉原までを一本の橋が通っていることになるんだ。レインボーブリッジの長さが798メートルだから、明石海峡大橋の規模が、いかにケタ違いなものであるかがわかるよね。また1991メートルの距離をおいて立つふたつの主塔は、海上から297,3メートルの高さを誇り、これも国内では東京タワー(333メートル)に次ぐ高さとなっているんだ。

明石海峡大橋が架けられた経緯を教えてください。
明石海峡に橋を架けて阪神~淡路間を結ぶ構想は、それこそ戦前からあったんだけど、技術的な問題や、大型軍艦が海峡を航行できなくなるなどの軍事的な理由から、なかなか具体化には至らなかったんだ。しかし昭和20年(1945年)に死者304名を出した、連絡船せきれい丸沈没事故を契機として架橋運動が盛り上がり、戦後の経済復興とともに、1970年、四国と本州の架橋を目的とした「本州四国連絡橋公団(現・本州四国連絡高速道路株式会社)」も設立。長年にわたる推進運動や調査の末に、1988年にようやく着工し、10年の工事を経た1998年、ついに明石海峡大橋が開通したんだ。

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02.えっ!そんなドラマが?

海流の激しい明石海峡に、どうやって世界一の吊り橋を建てたのですか?
明石海峡大橋では主塔の基礎を海中に設置する際に、設置ケーソン工法を採用しているんだ。これは海底の地盤に鋼製の巨大な箱(ケーソン)を設置し、その中にコンクリートを詰めて基礎とする工法のこと。しかし明石海峡は幅4キロと海峡としては小規模ながら、最大水深は約110メートル、そして潮流は最大で毎秒4.5メートルにも達する有名な難所。そこで明石海峡大橋では、ケーソンの形状を通常の四角い箱型ではなく、潮流の力を受けにくい円筒形としたんだ。また潮止まりのわずかな時間に設置するために、400トンの力でケーソンを引くことができるウィンチを使用。これによって迅速な作業が可能となり、無事にケーソンを設置することができたんだ。

主塔の基礎が軟弱な地盤の上に立っているというのは本当ですか?
吊り橋のような巨大な構造物を支えるには、基礎を岩盤の上に置くのが一般的なんだけど、明石海峡大橋の神戸側に立つ主塔は、基礎が置ける深さのところに、砂と砂利が混ざった砂礫層(明石層)と呼ばれる地盤しかなかったんだ。このような地盤に渦潮など強い潮流がおこると、水流の作用で土砂が深く掘られる洗屈という現象がおこり、基礎の足下が掘り起こされて倒れてしまう危険があるんだ。神戸側の主塔基礎工事では、こうした危険を未然に防ぐために、海水に浸かっても腐らない合成ネット袋を使用し、そこに1トン分の小石を詰めて、基礎の足下に10メートルの高さになるまで何層にも積み上げたんだ。これをフィルターユニット方式といって、洗屈の防止と安定した基盤の設置に、大きな効果を発揮したんだ。

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03.すごい!そんな技術が?

吊り橋にかかるケーブルはどのように架けられたのですか?
明石海峡大橋に架かるケーブルは、ストランドという六角形のワイヤーが290本束ねられてできているんだ。このケーブルをどのように架けたのかというと、まずは他の吊り橋と同様に、手がかりとなる1本のロープを張り渡すことから始まるんだ。この作業は、通常、船やクレーンを使って行うんだけど、明石海峡大橋では、工費と所要時間を低減させるため、世界で初めてヘリコプターを使用。そこから順次、太いロープへと張り替えて作業床を確保し、リールに巻きつけられたストランドをロープで引き出しながら、主塔の間を渡していったんだ。この作業を290本分おこなったのちに、1本のケーブルとするための締め付けがおこなわれ、ようやく、ケーブルが橋に架かった状態になるというわけなんだ。

明石海峡大橋のために開発された水中不分離性コンクリートとは何ですか?
コンクリートは砂利と砂とセメントを水で混ぜることでできるんだけど、これを水中で使うとなると、水の浮力によってそれぞれが分散して、セメントの成分が極端に少なくなってしまうんだ。そのため主塔の基礎となる巨大ケーソンの内部には、良質な水中コンクリートが不可欠だったんだ。そこで新たに開発されたのが水中不分離性コンクリート。これは植物繊維の主成分であるセルロース系の物質をコンクリートに混ぜあわせたもので、これによってセメントの粒子を結びつけ、水の中でも分散しない粘り強いコンクリートができあがったんだ。水中不分離性コンクリートの誕生は、大規模かつ良質の水中コンクリートを短期間に施工するシステムを確立させて、明石海峡大橋以降の大規模な水中コンクリート工事でも、標準的な工法として用いられるようになったんだ。

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04.その伝説ほんと?

明石海峡大橋の全長が当初の計画より約1メートル伸びたというのは本当ですか?
1995年1月17日に発生したマグニチュード7.2の阪神・淡路大震災は、地震の震源地が、工事中だった明石海峡大橋のほぼ真下だったことから、さまざまな影響が懸念されたんだ。発生当時の明石海峡大橋は、ストランドの張り渡し作業が完了し、ケーブルの締め付け作業をおこなっていた最中。地震による建設中の構造物に大きな損傷はなかったものの、その後の測量によって、ふたつの主塔の間(中央径間)が約80センチ、淡路島側から主塔までの距離が約30センチ、さらに橋の全長も約1メートル拡がっていることが判明したんだ。調査の結果、地盤そのものが変動したことで、海中の基礎にも変位が生じたことが明らかになり、安全性には問題ないことが確認されたんだけど、この地震で、工事は1ヶ月の中断を余儀なくされ、明石海峡大橋の建設計画において最大の試練となったんだ。

温度の変化で橋が伸び縮みするというのは本当ですか?
その通り。明石海峡大橋の場合、ふたつの主塔の間(中央径間)が約1,45メートルも伸び縮みするんだ。つまり温度が上がれば橋桁が縮み、温度が下がると拡がるというわけ。そのため明石海峡大橋では、車が安全に走行できるよう、橋桁に透き間を設けて、鋼製の特殊な伸縮装置を埋めこみ、最大で3,3メートルの伸縮量に対応できるようになっているんだ。同様に吊り橋に架かるケーブルも温度の変化によって伸縮し、1度の温度変化で橋の中央が約6,5センチ上下することがわかっているんだ。

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